安全講話メモ
平成14年1月15日
航空安全管理隊
最近の航空事故調査からの教訓
はじめに、
『人は思いを巡らす/足りない一言』
副題:「コミュニケーションの重要性」
「咄嗟の一言に着意」
「航空事故調査の限界」
「余計な一言」とは、
『何とか私の言っていることを分かってヨオ』
・・・・・という送り手
『そのぐらいの事は、言われなくても分かってワイ』
・・・・・という受け手
の間に存在する言葉である。 |
これは、コミュニケーションの観点からすれば、健全である。
しかし一言足りないと・・・・・・・・・
『余計な一言』を、健全な状態であるとしたのは、人はそれぞれに、自分の立場、状況、都合、物差し、価値観等で物事を理解し、思いを巡らせるからである。そういう人同士が連携し、事を成し遂げるには、「余計」ではなく、「足らざる」を改める必要があると考える。それが、場所を異にして、無線のみでコミュニケーションを図らなければならない航空の世界では尚更のことである。
コミュニケーションは、取り分け、交信によるコミュニケーションは、簡明に、かつ確実に実施される必要があるが、これは、日頃から着意され、訓練されてこそ可能なものである。
航空事故調査を通じての所見
1 希薄な 人間関係 / 組織間関係
2 無関心 、 他人事
3 決められた事を、決められたように、やっていない
そのことを関係者が気付いていない。
突き詰めると、コミュニケーションが図られていない。
事故防止を図るうえでの基本
1 完全な人と機能品は無い
人は、誤りを犯す、故に人である。神にはなり得ない。
操作ミス、判断ミス、組み立てミス、思い込み、忘却、色気・・・
機能品は壊れる、物質は劣化する。
2 「あってはならない」は、あり、「起きてはならない」は、起きる。
「厳守」は、守られない。「絶無」は、図れない。
3 平時にできなければ、有事にはもっとできない
平時の不安全は、有事にはもっと不安全
4 航空自衛隊の安全管理は、有事に機能するものであること
(民間航空の売りは、安全・快適である。空自の売りは、精強であり、その重要な要素のひとつとして安全がある。航空事故調査の観点においても、その弁別が必要)
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