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慣熟飛行


第1回目の飛行訓練は慣熟飛行です。
このフライトで、フライトルームを出てから帰るまでの流れを
把握します。また訓練空域の地形を確認します。
概説
1 要旨
  T-4は、広範囲な速度域、優れた運動生及び操縦性を持った高性能の練習機です。
  これらの特性を理解し、基本的な操縦要領を修得することは、操縦法を学ぶ上で、極めて重要です。
  
2 飛行姿勢の把握
  航空機を操縦する上で、飛行姿勢を把握することが重要です。
  水平線等を利用するほか、姿勢指示器を参照に姿勢を把握します。

飛行準備
3 飛行計画
  あなたは、飛行目的及び課目等を確認し必要な情報を分析して、飛行計画を作成します。
  飛行計画には一般に次の事項を含めます。
 ・ 飛行目的及び課目
 ・ コールサイン
 ・ 機番
 ・ 操縦者名
 ・ 離陸時間及び飛行時間
 ・ 空域又は目的地及び飛行経路
 ・ 飛行要領
 ・ 気象状態
 ・ 代替飛行場
 ・ 緊急手順
 ・ その他必要な事項

4 飛行前ブリーフィング
  よっち教官は、飛行開始に先立ち、飛行計画及び飛行に必要な事項についてブリーフィングを行います。
  そのとき、あなたの理解度を確認のため質問します。不明な点がないようにしっかりと確認し飛行に臨みましょう。1回の貴重な飛行訓練を無駄にしないようにしましょう。
  ブリーフィングは、離陸時刻の約1時間前に計画します。
  フライトルーム出発は概ね30分前です。
  出発前には、整備小隊にコールホーンで出発する旨をコールします。

5 救命装備品の装着
  ヘルメット及びマスクを点検します。ハーネス及Gスーツを身につけます。
  救命装備室を出る前にトイレに行っておきましょう。1時間くらいのライトですが、尿意をもようしながらの飛行は厳しいものがあります。

離陸準備
6 飛行前点検
  外部点検前に航空機整備記録簿を点検し、所要事項を記入します。
  外部点検はチェックリストに従って点検します。
  一般的には、油漏れ、パネルの外れ、エンジン室の異物がないこと、ピトー管のつまりのないこと、タイヤ及びブレーキが正常なこと等を点検します。
  操縦席に入る前に、射出座席系統の全般状況などを点検します。
  内部点検もチェックリストに従って、行います。

7 エンジン始動及び地上滑走前点検
  エンジン始動もチェックリストに従って、整備員と連携を図りながら行います。エンジン始動は、通常スターターによりエンジンを回し空気を取り入れる。次にプラグ等に点火する。最後に燃料を吹き入れこれに着火させる。スターターシステムにより、徐々に回転数を上げ、アイドル回転まで自動的に回転数をアップさせます。その間、あなたは、正常なエンジン始動がなされているかモニターします。
  エンジン始動後に、地上滑走前点検を整備員との連携のもとに実施します。
 ・ スピードブレーキの点検
 ・ フライトコントロールの点検
 ・ トリムの点検
 ・ ダンパーの点検(ヨウ方向の安定装置)
 ・ フラップの点検
 ・ 各電子機器の点検
 ・ Gスーツの点検
 ・ 酸素系統の点検
 ・ ブレーキの点検
  各点検を終わりました。射出座席をハンドルを引けばでれるようにレバーをオンにして、チョーク(車止め)を整備員に合図しはずしてもらいます。
  その後管制塔のグランドチャネルでコールします。
  "Hamamatu grd Blink** req taxi alfa"
  "Blink** Hmamatu grd R/W27 wind270/10 QNH2992 53"

8 地上滑走(TAXI)
  整備員に滑走路開始のシグナルを送り、整備員の誘導に従って開始します。
  地上滑走の要領は、ステアリングをエンゲージ(前輪をラダー操作と連結する。)し、パワーを約10パーセントほど加えます。滑走をはじめたならば、速やかにブレーキ点検をして、パワーを絞ります。
  地上滑走注意ステアリング及び飛行計器類の点検を行います。
  地上滑走中は、アイドルでも加速するので、ブレーキにより速度を調節します。

9 離陸前点検
  滑走路に進入前にキャノピーが確実にロックされていることを確認します。その後、TWR Chへ移行する。管制塔に離陸許可をもらいます。
  "Hamamatu TWR Blink** ready for dep"
  "Blink** Hmamatu TWR wind270/8 cleared for T/O"
  滑走路の所定の位置に停止し、エンジンランナップ点検を行います。エンジン点検はアイドル点検実施後、左右各々にミリタリー点検を行い、エンジン計器の指示が許容範囲内にあることを確認します。
  

離陸及び上昇
10 PWR 90%
   ステアリング 「オン」
   Release Brake
   70kts release Stearing
   100kts Apply BackPress
   A/I 8°確立
   Airborn Gear Up
   170kts Flap Up
   Gear Flap Indecater 確認
   離陸姿勢を維持して上昇速度まで加速
   離陸速度は、失速速度より多い速度(概ね失速速度の1.1倍)で実施します。

11 上昇
   上昇速度は、概ね300kts
   この速度は、最大余剰推力が得られるところであり、試験飛行により得られます。150ktsから概ね20kts単位で、低高度から高々度までの各高度での上昇率を得ます。これを各高度毎の速度に応じたチャートを作成します。
   下記の図参照


12 レベル オフ
   通常 昇降計の1割の高度に達したときから徐々に機首を下げ、所望の高度にレベルオフ(上昇から水平飛行に移行)します。
   4000fpm(4000フィート/分)の上昇率の時、20000ftでレベルオフする場合は、19600ftに達したら、PWR(パワー)を絞りながら、徐々に機首を下げ20000ftでレベルオフします。
   昇降計が6000fpmを越えている場合は、3000ft手前でピッチ(上昇角度)を約半分下げ、その速度を維持するようにPWRを絞る。その後はレベルオフ要領は通常どおり実施します。

巡航

13 巡航
   巡航諸元は,飛行目的、課目等により決めます。
   巡航速度の目安は、最大航続時間を目的とする場合、概ね200kts、最大航続距離を目的とする場合は、300kts付近です。最近は、AOA計がついていますのでこれを参考にスピードを決定できます。
   最大航続時間の速度は、燃料消費が少なく長く飛べる飛行速度のことです。この決定方法を考えましょう。失速速度付近から20kt間隔で速度を維持できるPWRを測定していきます。そうすると低速度を維持するためのPWRを多く必要としていましたが、速度が増えるに従って、PWRが減少します。その後、また多くのPWRが必要になります。その最小PWRの時の速度が最大航続時間の速度です。理論上では揚抗比(CL/CD)が最大のところでAOA計で概ね7付近になります。


   最大航続距離の速度は、同じ燃料で一番遠くまでいける速度です。通常揚抗比最大にが得られる速度より30%ほど多い速度といわれておりAOA計で4.5付近です。速度で言えば高度によって違いますが、概ね300kt付近となります。

14 計器点検
   飛行中、各システムの作動状況について点検します。
   エンジン計器、燃料、酸素及びコックピット圧について定期的に点検します。
 
降下及び着陸
15 降下
   チェックリストに従って降下点検を実施します。
   降下は、通常300kt、PWR80%rpmで実施します。
   必要に応じて、S/B(スピードブレーキ)を使用します。

16 着陸
(1) 通常着陸(360°オーバー・ヘッド・パターン)
  イニシャル・レグ進入までに、計器点検等を行う。
  イニシャル・レグは、対地1500ft、速度280ktで進入します。
  場周経路の飛行要領は以下のとおりです。


   接地直前、地面効果等により機首を下げる傾向となるので、機首を若干支え、PWRを 若干絞り接地させます。
   接地したら、ただちに、PWRをアイドルに絞り、ブレーキにより制動に努めます。方向保持は、ステアリング、ブレーキ、方向舵により行います。

Goaround、クローズトラフィック、Touch&Go
17 Go Around
   TH" MIL
   S/B UP
   上昇姿勢確立
   GEAR UP
   150KT FLAP UP

18 クローズトラフィック
   200KT TH" 90%
   200〜240ktを保持し上昇旋回しダウンウインドへ向かいます。
   その後は通常着陸と同じです。

19 Touch&Go
   接地後
   FLAP T/O
   S/B UP
   TH" MIL
   その後は、通用の離陸と同じです。

着陸後点検及びエンジン停止
20 着陸後点検
   着陸後、速度を十分減速し、滑走路を解放します。
   滑走路解放後、チェックリストに従い、着陸後点検を行います。

21 エンジン停止
   チェックリストに従い、エンジンを停止します。

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