Home->Pilot->よっちの操縦法(オリエンテーリング) |
よっちの操縦法
はじめに 230
オリエンテーリング 235
慣熟飛行 240
空中操作 245
離着陸訓練 250
計器飛行 255
編隊飛行 260
航法訓練 (工事中) 265
教育法 270
航空医学 275
低圧訓練 280
1 簡単な航空力学 揚力とは (1) 連続の法則 ある管の中を連続して定常的に流れる流体は、管の径の大きいところでは流れは遅くなり、管の径の小さいところでは流れは速くなる。 (2) ベルヌーイの定理 a 動圧 走っている車から手を出すと圧力を感じるがこれを動圧という。 b 静圧 空気が動いていなくて静かなときでも大気圧というものが、我々を押さえつけている。このような圧力を静圧と呼ぶ。 c ベルヌーイの定理 全圧=動圧(1/2ρV2)+静圧(P) 非圧縮性の流体では、ある流線に沿って静圧と動圧との和は一定になる。 (3) 翼に生じる揚力 連続の法則やベルヌーイの定理から 「管の径の小さいところでは流れは速く、流れの速いところでは圧力が低くなる。」ことなどを組み合わせるとベンチュリ管の原理が考えられる。つまりベンチュリ管のくびれが大きくなると、そこを通過する気流は加速され、管の側面の圧力は低くなる。 この原理を利用したのが一般的な翼断面である。 翼がある迎え角をもつとき翼前縁の直前まで一緒だった気流は翼の上面と下面に分かれて流れ、そして同時間かけて翼後縁に到達する。 このため、上面を通過する気流は、上面に沿って長い距離を流れることになり、一方、下面では幾分せき止められるため流れが遅くなる。 すなわち、翼上面の静圧は、大気圧より小さく負圧となる。翼下面は大気圧より大きく正圧となる。このため翼上面では引き上げる力、翼下面では押し上げる力が作用する。これらの両面に作用した合力は、翼の流れと直角の方向に翼を押し上げようとする力、すなわち揚力となる。 なお、普通の迎え角において翼上面の引き上げる力は、翼下面で押し上げようとする力の約2倍と考えられる。 揚力と抗力 翼を一様な空気の流れに置いたとき、翼が流れに対し、ある角をもっているとすれば、流れに直角な方向に揚力(Lift)、また流れに平行な方向に抗力(Drag)が発生する。 失速 飛行中、翼の迎え角を増していき、ある角度になると揚力は減少し始め、同時に抗力が急増する。これは翼が失速(Stall)を起こしているからである。 一般に翼の周りの流れは、迎え角が小さいときは図に示したように翼の表面に沿って流れている。しかし、迎え角を大きくしていくと、翼の後縁付近では境界層が厚くなり、流れは剥離するようになる。このような流れにおける翼上面での静圧は大気圧に近づくため揚力は減少する。また、翼の表面に沿って流れてきた流れは逆流を生じ、大きな渦となって流れ去っていき伴流が生じ抵抗が著しく増加する。飛行機は、この増加した抵抗のため急に速度を失ってしまう所から失速と呼ばれている。 利用パワーと必要パワー 利用パワー 飛行するために利用できるパワー 必要パワー 飛行するために必要とするパワー 余剰パワー 図中の利用パワーと必要パワーにはさまれた部分を余剰パワーと言う。 スロットルレバーを開いてエンジンパワーを増やしてやると、必要パワーより利用パワーの方が大きくなり、パワーが余ることになる。この場合、操縦桿をUPにし、上昇姿勢を作ることにより、上昇する。 逆にパワーを小さくすることにより、減速飛行または降下飛行する。 水平飛行 水平飛行中に関係する力は、下図のようになる。 水平定常飛行の場合は各力が釣り合っている。 L=W T=D 上昇飛行 旋回飛行 旋回は飛行機を傾けること(バンクを取るという)により、旋回する。傾けることにより内側にLsinφの力が生じ、内側に引かれる。 また、Lcosφ=Wなので、旋回した分、揚力を増やさなと、降下する。 2 簡単な操縦法 全般 飛行機を操縦するための入力機器は、操縦桿、ラダー及びスロットルである。 操縦桿を、前後に動かすことにより、昇降舵を上下に動かすことができる。 また、左右に動かすことにより、補助翼を動かすことが出来る。 ラダーを動かすことにより、方向舵が左右に動く。 スロットルを動かすことにより、エンジンのパワーを増減できる。 操縦桿 操縦桿を、手前に引くと、昇降舵が上に上がり、昇降舵に下向きの力が生じ、機首を上げる。 操縦桿を、押すと、昇降舵が下に下がり、昇降舵に上向きの力が生じ、機首を下がる。 操縦桿を右に倒すと、右エルロンが上がり、左エルロンが下がる。このため飛行機は右に傾く。 操縦桿を左に倒すと、右エルロンが下がり、左エルロンが上がる。このため飛行機は左に傾く。 ラダー ラダーは、両足に一つずつあり、右足にあるラダーを踏み込めば、左ラダーは手前に戻りよう機械的に連結している。右ラダーを使うという意味は、右側にあるラダーを踏み込むことをいい、左ラダーを使うと言うことは左ラダーを踏み込むことを意味する。 右ラダーの使用により、方向舵は、右に動く。 左ラダーの使用により、方向舵は、左に動く。 スロットル スロットルを奥に押すことにより、ミリタリー(最大推力)までパワーを増加することが出来る。 スロットルを手前一杯に引くことにより、アイドル(最小推力)まで減ずることが出来る。 離陸 90%にスロットルをセットし、ブレーキを離す。速度が増加し離陸速度(1.1Vs)の約20kt手前から操縦桿にバックプレッシャーをかけ、約10°の機首上げ姿勢を確立する。この姿勢を維持していると、自然と浮揚する。離陸したら、脚、フラップをあげ、速度をつける。速度がつくに従い、揚力が増し、機首上げ傾向が出てくるので、よくトリムし、10°姿勢を保持する最大上昇率を得る速度に達したら、この速度を維持するようにピッチ姿勢を調整する。 上昇 スロットルを最大にセットし、上昇姿勢を確立することにより上昇する。 通常、最大上昇率を得る迎角を維持し、上昇する。この角度は、最大上昇率を得る速度を維持することにより得られる。 上昇又は降下から水平飛行への移行 上昇、又は降下から水平移行することをレベルオフするという。 上昇からのレベルオフは、機首をやや下げるとともに、スロットルを水平飛行に必要な推力まで絞る。 機首を下げるための操縦桿の動きを考えるより、機首を所望に位置まで下げるという意識でよい。操縦桿の動きは、最初のうちは意識せざるを得ないが、その内意識しなくなる。 機首の下げる量は、水平線と飛行機の窓枠等の参照点を参考に、極小さく下げ、その位置を保持する。その姿勢を保持しつつ、昇降計や、高度計をクロスチェックする。高度計が上昇していたら、その姿勢から、もう少し下げる。逆に下げすぎたら、少し姿勢を上げる。 普通旋回 普通旋回は、ジェット機の場合30°バンクをいう。 姿勢指示器等を参考に30°バンクをとる。この時、若干、ピッチを1〜2°の範囲で上げ、少し迎え角を上げないと降下する。水平線を参考にしながら、この姿勢を保持する。徐々に旋回し、所望の位置になったらバンクをゆっくりと水平まで戻す。この時先ほどのピッチを戻さないと、上昇してしまう。 降下 スロットルを約80%まで絞り、速度を約300kt維持するように機首を少し下げる。この状態で、速度の増減を見る。300ktより増えるようだったら、ピッチ角が下げすぎているので、少しピッチを上げる。300ktより減るようだとピッチの下げる量が不足しているので、少しピッチを下げる。 着陸 3°のパスにストール速度の約1.3倍の速度で進入する。 滑走路に入り、接地直前に、若干機首を気持ち上げ、パワーを極少し絞り様子を見る。 そして、ストール速度の約1.1倍の接地速度で着地する。 接地したならば、スロットルを直ちにアイドルにして、ブレーキ制動により停止する。 3 簡単な航空医学 4 T-4練習機の概要 (1)T-4の優れた特性 広い飛行範囲 新遷音速翼の採用及び機体形状の洗練により、低速から高速 までの広い飛行範囲において良好な飛行特性を有しており、また、スピン訓練を 合む高度な訓練飛行にも対応できる性能を有しています。このため、飛行教育上、 初等練習機から高等練習機への移行をスムーズに行うことができます。 良好な信頼性・整備性 各種装備品に対する新技術の採用、点検扉の最適化及びエンジ ンの着脱容易化等により、すぐれた信頼性・整備性を有しています。 安全性の追求 安全を確保するため、次の配慮がなされています。 双発のエンジン キャノピー破砕方式脱出装置の採用 2重系統による油圧・操縦系統 対雷対策 集中点検パネルの装備 経済性の追求 設計開始時より、取得及び運用時の経済性を考慮したコスト ・コントロールを行い開発されています。 (2) T-4の優れた性能・諸元(資料は航空情報誌から) 乗員:2名 重量 自重:3.7t 標準離陸重量:5.6t 機体寸法 全長:13.0m 全幅:9.9m 全高:4.6m エンジン 名称:F3−IHI−30 型式:ターボファン・エンジン 基数:2基 最大出力:1,660kg×2 性能 最大速度:500KT以上(約0.9マッハ) 実用上昇限度:40,000FT以上 航続距離:約700nm(約1,300km) 5 浜松LCL 6 緊急手順 基本原則 1 Aircraft control. 2 Annalists situation and proper action. 3 Land as soon as possible |